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口内環境

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8020(ハチマルニイマル)運動

「80歳で20本の歯」

目標に掲げられたこの標語で知られるものは、8020(ハチマルニイマル)運動とよばれます。

平均寿命からも人生80年といわれる現代において、その「80年の節目に自分の歯を20本以上残そう」という考え方です。

すべての人間は「老化」という運命を避けることができません。
年を重ねれば筋肉は低下をし、集中力も低下します。
若いころは普通にできたことも難しくなっていきます。
しかしそれは自然が定めた当たり前のことで、誰にでも訪れるものです。

体が衰えていくことには寂しさがあります。
それでも自然の流れだとしても、人間らしく健康であり続けたいと思うことは当然ではないでしょうか。

その明確な目標のひとつが8020運動です。
年とともに歯も自然と衰えます。

抜けゆく歯をただ眺めるのではなくしっかりと管理をし、残せる歯を残しましょう。

このページでは80歳で20本の歯を目標とすべく、口内環境について皆さまにお伝えしたいと思います。

目次

口内環境チェックリスト

口の中には無数のバクテリアが生息していて、虫歯や歯周病などの病気もバクテリアが大きく関与しています。
そのバクテリアの生息する口の中が本当によい状態かどうか確認してみましょう。
次のチェックリストに当てはまるものがないかチェックをしてみてください。

  • 口が乾燥しやすい
  • すぐに喉が乾く
  • 朝起きたときに口がカラカラ
  • いつも歯がヌルヌルとしている
  • 口が臭い
  • 歯みがきをあまりしない

口内環境とは

口内環境について知ろう

1で たごもり

2けん

私たちの口の中には、目には見えない数百種類以上ともいわれるバクテリア(細菌)が生息しています。
ところ狭しとたくさんのバクテリアがいるのですが、一つひとつを見るためには顕微鏡が必要です。

そのミクロの世界では私たちの想像を絶するような生存競争が繰り広げられています。
それは私たち人間とバクテリアとの闘いだけではなく、バクテリア同士の生存競争です。

少しでも他のバクテリアよりも優勢に立ち、そして数を増やして勢力を拡大するためにバクテリアは戦っています。
歯の間に栄養素があれば増殖の拠点とし、他のバクテリアを倒しながら自分たちは増えていくのです。
時として殺し合い、時として協力をして……そして何十億年という長い間、命を繋いできた生物がバクテリアです。

バクテリアは目に見えない小さなものです。
私たち人間が口を消毒すれば、ほぼ壊滅状態といえるほど一時的に数が減ります。
しかし彼らは再び増殖を進めて一瞬で回復します。

一瞬とは人間における一瞬であって、バクテリアにとっては非常に長い時間なのかもしれません。

私たちの目に見えない口内環境は、私たちにどのような影響を与えているのかみてみましょう。

 

●バクテリアの侵入

特定のバクテリアが歯の表面に張り付いて増殖し、酸を出して歯を溶かしてしまいます。
糖分を酵素の力でネバネバの状態にして歯に張り付いたものが歯垢(プラーク)です。
プラークは唾液の力で流されることを防ぎ、バクテリアの増殖しやすい環境を提供します。
増殖の際に作られる酸によって歯を溶かし、私たちの歯を虫歯にします。

さらにバクテリアは私たちの体内に入ろうとする力を持ちます。
バクテリアはより勢力を拡大するためには、それがたとえ口以外だとしても新しい場所を求めていきます。

 

●体内への侵入を防ぐ

歯の根元には血管が多く通っています。
血液は栄養素が豊富で、バクテリアにとっては増殖に適した環境ともいえるでしょう。
それだけ魅力的な血液を目指して、歯周病菌をはじめ多くのバクテリアは体内への侵入を試みます。

しかし私たち人間には、その侵入を防ぐ能力がありました。
それが「免疫」とよばれるシステムで、体内に侵入しようとするバクテリアをあらゆる方法で排除します。

歯肉から体内を目指す激しい炎症反応を起こしてバクテリアを殲滅させるバクテリアが大量であれば、こともあります。

入り込んだバクテリアに対しては、物理的に細胞が食べて溶かし、化学物質によってバクテリアを死滅させます。

 

●歯周病と生活習慣病

バクテリアを倒すときに、人間の細胞はサイトカインとよばれる物質を放出します。
倒すために人体を強くする作用がありますが、その作用が人間にとって好ましくない作用となる場合もあるのです。

たとえばインスリンというホルモンは血糖値を下げて、細胞へエネルギーを供給する役割があります。
特定のサイトカインはインスリンの効き目を一時的に下げて、侵入者排除に適した環境を整えます。

しかしインスリンの効き目が下がることで、インスリンに抵抗する状態となってしまいます。
その状態が続くことで「2型糖尿病」のリスクにつながるという研究もあります。
他にも、細胞の修復に必要なコレステロールを高く維持するサイトカインなども確認されています。

バクテリアと戦うための防御反応が、生活習慣病や特定の病気の原因になる可能性があるということです。
これはさまざまな研究データからも傾向が明らかになっています。

歯周病は血管からバクテリアが侵入する機会が多いといえるでしょう。
つまり口の中をきれいにすることは、生活習慣病を予防することにもつながるです。

口内環境を改善しましょう

虫歯や歯周病を予防するためには、バクテリアの栄養となる汚れをなくし、唾液をしっかり循環させることが重要です。
口が乾く状況を意識的に避け、口のきれいな状態をなるべく保ちましょう。

 

●口の中をうるおす

集中して作業をしている際に口を軽く開けている場合には、口の中が乾きやすくなります。
定期的な水分補給や、ノンシュガーのキャンディやタブレットで唾液を出すことも大切です。

睡眠時に口呼吸が多い場合には、寝ている間に口が乾くことがあります。
口呼吸の対策などもまた、口内環境の改善につながります。

 

●正しく歯をみがく

正しい力の入れ方で届きにくい場所までしっかりと歯みがきをしましょう。
届きにくい場所にはデンタルフロスや歯間ブラシを使用して、バクテリアが増殖できる環境を取り除いていきます。

それでも完全に除去することは難しいので、洗口剤などで口内環境を整える方法もあります。

 

●定期的に歯科を受診する

虫歯や歯周病は早期発見、早期治療が大切です。
ご自身でどれだけ頑張ったとしても、歯垢が少しは残ってしまいます。

早めの歯科治療や歯石除去は、虫歯や歯周病対策に大きな効果を示します。

もしもうまく歯みがきができていないときも、歯科で正しい歯みがき指導を受けることができます。

ご自身のケアと歯科での専門的なケア、どちらも並行して口内環境を整えていきましょう。

そして80歳の節にはご自身の歯を20本残せるように。

8020(ハチマルニイマル)を目標にして日々のケアを頑張りましょう。

著者 Writer

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ミニッツ 太郎
資格:歯科医師
生年月日:○○○○年●月●日
趣味:サイクリング

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